フランスで不動産を購入する
- フランスでは不動産投資=老後安泰である
- フランスに地面師はいるか
- フランス不動産これから買い時?
- わたしの不動産選び
1フランスでは不動産投資=老後安泰である
わたし 関西人49才 職人
主人 フランス人50才公務員
老後安泰に向けて賃貸物件購入
フランスで出会った高齢者、特に経済的余裕のある未亡人は
ほぼ全員不動産収入があるというのが私の意見だ
大富豪の話ではなく一般庶民の話である
株などの投資も勿論するが、どうやら不動産はそれ以上に信用できるものらしい
紙上の投資より現物が目の前に存在するため安心感を与えてくれる
また知識がなくても融資さえクリアできれば購入でき、
家賃で返済できるので生活は変わらない
後の自主管理も結構簡単にできる
実際は相続した不動産や、
ユーロに変わる前に投資した人が大きな儲けになっているだろうが、
私が今買ってもたいした利益は見通せない
フランス人もみんなわかっていて、不動産で大儲けは考えていない
それでも老後 不労所得があるのと無いのとでは安心感が違う
特に私のような年金が満期行かないような移民にはもってこいである
正直普段は主人が管理している銀行も
私一人で管理となると自信がない
と、ここまでは日本も同じで
全てが楽観的に思えるが
フランスは事情が違う
まず古い物件でも価値が変わらない
災害リスク 騒音 シロアリ アスベストなど
住宅問題を売り手が証明する義務があるので購入後開けてビックリは無い
借り手が物件より圧倒的に多い
よって家賃が高く、購入した方が月々安くなる可能性がある
さらに皆さんが想像するフランスとは
不動産購入に関しては事情がちょっと違う
不動産を購入する際必ず公証人(notaire)を通す
個人売買でもだ
公証人は細部まで物件について調べてくれ、
これに間違い無いという、売り手の公証人と買い手の公証人とのサインを要す
疑う部分があれば買い手に専門家を紹介してくれたり、断念することを勧める
どこが法に触れるかなど全て教えてくれる。全員が同意の上で売買が行われる
さらに最終成約では買い手の公証人が紹介する第三者がサインを追加する事もある
仲介手数料は売価によってではなく不動産屋が自由につけられる
一見騙されそうだか
売り手の公証人も通しているので不動産屋が勝手に上乗せはできない
1から5%といった所だが大手だと7から10%も見られる
そして購入時に販売価格の8%を公証人に払う
全額が公証人の懐に入るわけでは無く80%税金に取られる
新築だと公証人に払うのは3%になる
この公証人は不動産の財産分与にも携わってくれる
ちなみに公証人は家族専属とか、住んでいる街とか決まりはない
疑い深いフランス人は銀行、医者や弁護士を
できるだけ知り合いや家族代々の所にしたがるが
決まりはなく近代では個人で情報を得て見つけたり
不動産屋の紹介の方がきちんとした人に当たったりする
不動産屋の仕事は物件探し、宣伝と見学付き添い、値段交渉の仲介が主であるが
二重契約を防ぐ役目もあるので買い手にとっては仲介を通す方が安心できる
私自自身はしつこく推してくる不動産屋に当たったことがない。
興味ないと言えばそれまでである
郵便受けに近所の不動産屋からチラシが入っているくらいで
収入が多い人でも不動産屋から押し売りされたなど聞いたことがない
銀行がローン組みませんかと勧めてくる程度である
これくらいの家賃が取れますとはったりは言われるけれど
物件の状態と立地とサイトの情報でこちらで見当はつく
他にもcapital という雑誌を図書館で読む。meilleurs agents では自分の家が過去にいくらで売れたか知ることができる。
2フランスに地面師はいるか
私はまだ本を読んでいないし映画も観ていない
しかし一般でいう地面師についていうと
購入に関わってくれたこの全ての人がグルで偽物の可能性は
非常に無理がある
不動産屋を通さず個人や公証人が売りに出すことは容易に出来るので
この辺は演者ができるとしよう
しかし売り手と買い手の公証人はなかなか演者では出来ない
まず公証人事務所は大抵複数の公証人で成り立っていて
入り口に必ず公認のパネルがあり昨日や今日とりつけたら一目瞭然である
(2019年不動産屋も似たようなパネルができたようだが
つけている所はまだ見たことがない)
しかも買い手の公証人はある意味粗探しが仕事である。ここで信用が決まる
さらに銀行も物件について調べた上で融資を決める
何よりも驚いたのはフランスでは買い手側に詐欺師が結構いて、
売り手側にいないことである
フランス不動産購入は意外と堅いと思う、そして誠実である
ちなみにお金があっても不動産を持っていない人もいる
私の知っている人は遺産を残したくないというのが理由だった
3フランス不動産 現状
フランス全土で見るとコロナ明けの2021年2022年に中古一軒家が一気にあがった(グラフ左の赤線)そこから2023年最後には13%値段が下がっている(グラフ黄色線は中古アパート 青線は平均)
パリでは2020年夏ピークで平均10860ユーロ/m2、2024年4月で9410ユーロ/m2 参考資料FNAIM
今回に関しては
去年10月から数十件めぼしい物件で不動産屋とコンタクトを取り
うち8件の見学、そこから3件値段交渉、結果一件購入に至る
交渉したのは個人売買一件と大手不動産の仲介一件で
どちらも家主が値段を下げず断念した
個人の方は不動産屋を通した後すぐ売れ
もう一方は不動産屋は下げたかったが家主がしぶって一年弱売れていない
不動産価格はコロナ明け2021年に最高潮に上がった
利子が低かったのと融資が簡単に受けられた。
コロナ渦の援助で実は経済的、精神的、時間的にコロナ前より余裕が生まれ
その景気に乗ってソレッ買っちゃえっという人も多かったと思う
その余韻がけっこう長くあり
私が交渉して断られた物件のように
下がる訳がないと思っていた家主が多い
実際は不動産屋の倒産 公証人事務所でも解雇が出るなど厳しい状況のようだ
2023年に入って売れ行きが一気に下がり出した
住宅ローンの金利が4%以上にもなったり
世界情勢 フランス政治 物価高などいろんなことが国民の不安を煽った
国もいろんな援助を出し始めたが 今のところ景気も悪く
上がっていく見込みは当面ない
ということは、これから買い時かもしれない
フランスでは値段交渉は当たり前である
さらに今売りたい人は現状を承知で売りを急ぐので
値段交渉は大きく出てもいい
4私の不動産選び
実は今回4件目の購入である
1件目、主人が公務員なって全額融資で新築ワンルーム
新築もそうだが、若者の初めての不動産購入には国からの援助が多い
2件目、子供ができたので田舎の庭付き一軒家で
仲介人なし公証人事務所の掲示板で見つけ公証人も家主と同じ人を選んだ
買い手さえよければそれも出来る
利点は時間が短縮される
3件目、都会のマンションで3寝室ある今住んでいる所である
フランスでは新築以外一件目の見学で買うことはまずない
私も一件目以外はかなりの物件を見に行き比べて決めた
毎回色々勉強してきたが結局自分がそこに住めるか
例え賃貸向けでもそれが一番重要である
中古マンションでは標準的な型がなく実際今回買ったのは
築1910年代15平米で築2010年20平米より
天井が高く 窓も大きく 内装も素材も上質だった
行ってみないとわからない
私の選び方のポイントは
まず治安や安全面は常に意識している
どんなに条件が良くてもマンションの一階は買わない
フランスでポツンと一軒家も私にはありえない
近所を歩いて自身で治安を確かめる
一本道が変わるだけで雰囲気もだいぶ変わる
ゴミ置き場を必ず見にいく
すると管理会社の程度がわかる
マンションではそれぞれ条件がことなるので
自分の目的に合っているかも考える
賃貸できないとこや二世帯以上入れないなど様々である
特に今大事なのはDPEという二酸化炭素排出量や断熱性について
AからGのアルファベットで専門家が測定する
環境と借人の権限を守るためにできたもので
法律でGは2025年から Fが2027年から普通の賃貸ができない
あとは当たり前の改装費や管理費等見合ったものか
大きな町では家賃の制限もあるので計算する
買う季節もある
フランスはご存知の通り9月が新学期で
3月あたりから異動の通知を受けたり
子どもの入学で学校区域を調べ始める
だから家族用だと10月終わりから2月終わりが買い時だと思う
6、7、9月は確実に上がる
ワンルームなどは学生が退出届を出す5月から9月一気に売られる
値段は上がるが選べるのと新学期からすぐ学生を入れられる
私の場合10回以上引っ越しているので
いずれ賃貸か売ることが念頭にあるが
結局自分がしばらく安心して快適に暮らせるところが
貸せるし売れる。
フランスで不動産投資での大損は騙されたのではなく
買い手の無知な選択が多い
悪条件を重々承知で買っているのは自分だと言うことだ
以上フランス不動産購入事情は
ざっとこんな感じである
ところが不動産賃貸事情は全く違う
それはまた次回に。
私は不動産業界の人間ではありません
誤字、脱字できる限り直しているつもりです
また専門用語もわかる範囲で使っております
ご了承ください
フランス在住の方、海外投資お考えの方、フランス事情に興味のおありの方に
お役に立てたら嬉しいです。